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推薦のことば

推薦のことば紹介

伊勢赤十字病院 緩和ケア内科 辻村恭江先生

がん医療の現場では、リンパ浮腫に対して適切にケアを行える人材が求められています。
リンパ浮腫は乳癌や子宮癌、卵巣癌などリンパ節郭清を伴う手術の後遺症として発症することがあり、この後遺症に悩んでおられる患者さんは非常に多いのですが、その方達が適切にケアを受けられる医療機関は圧倒的に不足しているという現状があります。
また、リンパ浮腫は術後の後遺症だけでなく、癌細胞がリンパ節へ転移することによっても発症するため、進行癌の患者さんの中にもリンパ浮腫に対する適切なケアが必要な方がおられます。そのような方の場合、癌に対する治療と共に、リンパ浮腫に対する緩和ケアが必要です。
緩和ケアは、がんと診断された時から、がんの治療中や終末期に至るまで、身体症状だけでなく不安や悩みなどの心のつらさや社会的・経済的な問題なども含めて患者さんとその家族の抱える様々な苦痛を適切に評価し、対処・予防することで患者さんと家族の生活の質をできる限り維持・向上させる取り組みですので、リンパ浮腫に対するケアは緩和ケアであると言えるでしょう。

私は緩和ケアを専門とする医師で、伊勢赤十字病院に勤務しています。当院は地域がん診療連携拠点病院に指定されており、2012年に病院が新築移転した際に20床の緩和ケア病棟が新たにオープンしました。
私は緩和ケア外来、緩和ケアチーム、緩和ケア病棟のそれぞれで他の職種と協力しながら診療活動を行っており、特に週3日の緩和ケア外来のうち1日は、当院で手術を受けた方で術後に発症したリンパ浮腫の患者さんを対象とするリンパ浮腫外来を緩和ケア認定看護師と共に行っています。
また、緩和ケアチームが対象とする一般病棟入院中の患者さんや、緩和ケア病棟に入院中の患者さんの中にもリンパ浮腫の方がおられ、いずれの臨床現場でも浮腫に対する適切なケアが必要で、緩和ケアチームの看護師や緩和ケア病棟の看護師と共に、協力しながらリンパ浮腫に対する指導とケアを行っています。

THACリンパ浮腫セラピスト育成講座は、臨床経験豊富な講師陣による適切で実践的な実技指導を受けることができ、カリキュラム内容が非常に充実していると思います。
前述したがん医療の現状がありますので、このセミナーを受講・修了された看護師の方々が活躍できる機会は多く、特にがんの治療と緩和ケアに力を入れている当院のような各都道府県に存在するがん診療連携拠点病院などでは、貴重な戦力として期待される人材になることは間違いないと思われます。
今後THACリンパ浮腫セラピスト育成講座を受講される皆さまが、実際に医療現場で活躍されることを心より期待しています。

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